PR当サイトはアフィリエイトプログラムを利用しており、リンク経由での購入により売上の一部が運営者に還元されます。

夜のしおり女性向けアダルト作品のレビュー・比較メディア
乙女ゲーム

「Monochrome Wizard~黒の讃歌、白の鎮魂歌~」レビュー|エンド12、発売後4年にわたって追加が続いた異世界トリップ戦記

経済的な理由で進路を断たれた少女が、逃げ込んだ森の洞窟から異世界へ。Duskの女性向けADVを、エンド12という配分と「痛み」を軸にしたキャラクター設計から、どんな人に向くかまで整理しました。

買う前に遊べるあり
4.5期待値公開:更新:

PR本記事にはアフィリエイトリンクが含まれます。当サイトはアフィリエイトプログラムを利用しており、リンク経由での購入により売上の一部が運営者に還元されます。記事は販売ページの作品情報・公開されている公式素材・配信元APIで確認できた情報をもとに執筆しています(公式素材の種類と有無は作品によって異なります)。作品の評価は報酬の有無にかかわらず運営者自身の判断で、これらの情報から判断できる範囲の期待値評価です。本編の視聴でしか確かめられない質は採点に含めていません。

作品の概要

サークル Dusk から2019年8月4日に配信された、女性向けのR18アドベンチャーです。シナリオは雪華、イラストは心友、音楽はシロ。声を担当するのは三楽章、深川緑、三重奏、浅瀬るいほか。攻略対象は3人、これにエンドの用意された1人が加わり、エンド数は12。主人公の音声を除いてフルボイスです。価格は3,850円、容量は約2.53GBです。

動作環境として案内されているのは、日本語版 Windows Vista / 7 / 8 / 10 のみです。MacやAndroidは含まれておらず、最終更新が2023年9月22日である一方、Windows 11 も動作環境には明記されていません。現行のPCで遊ぶ前提なら、購入前に販売ページで確認しておきたい点です。

そのうえで、体験版が841.24MB配布されています。 3,850円という価格に対して、動くかどうかも文体が合うかどうかも、先に自分の環境で確かめられるということです。Windows 11 の記載が無いことは、この体験版でかなりの部分が確認できます。サンプル画像は2枚だけなので、絵柄と画面を見たい場合も体験版のほうが早いです。

物語の起点は異世界ではなく現代です。美しいが人形のような少女・立木花恋(名前変更可)は、経済的な理由で進学できず、ある理由で就職先も決まらないまま卒業の日を待っています。いじめっ子たちから逃げて入った森で奇妙な洞窟を見つけ、抜けた先は見たこともない異世界だった——という導入。途方に暮れる彼女の前に軍人らしき男たちが現れ、危険物を見るような目を向けてきます。キャッチコピーは「共に歩むか、嫉妬心に絡めとられるか。『痛み』を取り戻す、異世界トリップ戦記」。

こんな人に刺さる

設定の理屈から入りたい人。 本作の攻略対象は、能力がそのまま立場と傷に結びつくよう設計されています。ウィリアムは現国王の弟で第一魔術師団団長ですが、この世界で忌むべきとされる『死霊使い』の才能を持つ。死霊使いは十万人に一人という稀有な存在で、彼の能力は歴史上でも異常に高い。だからこそ兄王に迷惑をかけまいと王位継承権を放棄している。能力→社会からの評価→本人の選択、という順に理屈が通っているので、世界観を読み解く楽しさがある作品です。

攻略対象以外にも結末が用意されている構成を探している人。 アメリアはヒロインにとって初めての親友で、第一魔術師団の団員。姉御肌の彼女は攻略対象3人とは別枠の「エンド有りキャラクター」として案内されています。どのような結末かまでは公開情報から確認できませんでしたが、攻略対象の枠外にもエンドを置く構成であること自体は明示されています。

買ったあとに増えていく作品が好きな人。 2019年の発売後、DL達成記念として後日談ドラマ、SS、新規イベントCGが継続的に追加され、ver1.3まで更新されてきました。トーマスに至っては、バージョンアップでルートそのものが新規追加されています。購入時点の内容がその後も増えていくという運用は、同人ゲームでは珍しい部類です。

プレイの見どころ

軸になるのは、「痛み」という言葉が全キャラクターに一本の線として通っていることです。キャッチコピーは「『痛み』を取り戻す」。ヒロインは冒頭で人形のようだと形容され、痛みを感じない側に置かれています。一方の攻略対象は、全員が痛みを負った側です。ウィリアムは忌避される才能ゆえに立場を捨て、レオは実家の火事で家族全員を失った唯一の生存者。そのレオが骨をも焼き尽くす劫火の使い手であるという配置は、偶然ではないはずです。しかも彼は魔術師養成所時代からの同期で、みんなの兄的存在とされている。家族を失った側が兄役を担っているという設計は、キャラクター紹介の数行の中で既に完結しています。

トーマスの設計はこの二人と対照的で、輪郭がはっきりしています。光魔法と水魔法の使い手で、回復魔法は国内一。『五大公爵家』の末弟という出自も含めて、他の二人が抱える欠落を埋める側に立つキャラクターです。喪失を抱えた二人と、癒す側の一人。攻略対象3人の配置が、そのまま「痛み」というテーマに対する三通りの答えとして読めます。

もう一つ、キャッチコピーの前半——「共に歩むか、嫉妬心に絡めとられるか」——も設計の手がかりです。関係の到達点を「共に歩む」か「絡めとられる」かで二分するということは、エンド12という数字の内訳に、うまくいかなかった側の分岐も含まれていると読むのが自然です。攻略対象3人に対してエンド12という比率も、これと矛盾しません。

演出面では、主人公の音声を除くフルボイスであることが公開されています。一方、プレイ時間の目安は公開情報から確認できませんでした。エンド12・フルボイスという条件から相応の分量は見込めますが、正確な所要時間は購入前に販売ページでご確認ください。

似た作品との比較

同じサークル Dusk の「監禁婚~選択の日々~」が、当サイトでは本作にいちばん近い位置にいます。イラストは両作とも心友、音楽もシロ。作り手が重なっているぶん、違いは方向の違いとしてまっすぐ出ます。本作は「痛み」を取り戻す側の物語で、傷を負った男たちとの関係を築いていく王道の戦記。あちらは現代日本を舞台に、関係が壊れていく側を正面から描くダークな5ルートです。Duskの作品を初めて買うなら、本作のほうが入口として素直だと考えます。理由は価格(3,850円と5,500円)だけではありません。本作にはエンド12という分量の数字が出ていて、あちらにはエンド数もプレイ時間も出ていない。 当サイトで星が1.0開いているのはこの一点で、どちらも体験版はあるので、触れる手段のほうは互角です。

別の世界に渡ることから物語が始まる乙女ゲームという点では「悪役令嬢とメンデレ王子」と同じでも、作品の成り立ちは正反対です。あちらは既存の乙女ゲーム世界に転生し、そのシナリオが改変されているという、ジャンルのお約束をネタにするメタ的な作品。本作は世界も魔術体系も一から構築し、お約束を正面から積み上げていく王道の戦記です。条件面では、本作が3,850円・エンド12・Windows専用、あちらが2,200円・約8時間でWindows / Mac / Android対応。星が同じ4.5なのは、片方がエンド数を、もう片方がプレイ時間を出していて、どちらも体験版を持っているためです。 出ている数字の種類が違うので、尺で予定を組みたいならあちら、結末の本数で分量を測りたいなら本作、という選び分けになります。

もう一点、運用の姿勢も違います。あちらは音声ドラマシリーズを一本のゲームにまとめた集約型。本作は発売から4年をかけてルートや後日談を足していった積み増し型です。買ったあとに内容が変わるかどうか、という観点では本作のほうに分があります。

総評

評価は4.5。 当サイトの星は作品の出来ではなく、買う前に期待をどこまで確定できるかだけを測ります。動かすのは二つ、「事前に触れる手段があるか」と「分量を測る数字が公開されているか」です。本作はその両方が埋まっています。841.24MBの体験版があり、3,850円を出す前に動作も文体も自分の環境で確かめられる。そしてエンド12という数字が出ている。攻略対象3人に対してエンドが12、しかもエンド有りキャラクターが別枠で案内されているので、何本ぶんの結末を買うのかが購入前に見えます。

満点にしていないのは、プレイ時間の目安が公開情報から確認できないためです。エンド12・フルボイスという情報から相応の分量は見込めますが、時間で予定を組みたい人にはそのままでは足りません。当サイトの星は 4.5 が上限で、そこから先を分けていないので、この不足は星ではなくここに書いておきます。

もう一つ、星に入れなかった条件があります。動作環境が日本語版 Windows Vista / 7 / 8 / 10 とあるだけで、Windows 11 が明記されていないこと。最終更新は2023年9月22日ですから放置された作品ではありませんが、記載が無いのは事実です。ここを減点に数えなかったのは、体験版で各自が確認できるからで、確かめる手段がある不明点は星に反映しないという方針によります。買う前に体験版を落として動くことを確かめてください。それで解決する問題です。DL数2,684・評価972件で平均4.76(2026年8月7日時点)という数字も、参考として挙げるだけで採点には入れていません。

異世界に渡った先で、傷を負った人たちと関係を築いていく物語を腰を据えて読みたい人には、価格に見合う内容だと考えられます。逆に、まず短く試して相性だけ見たいなら、当サイトの棚では「文字化化:Homicipher」(1,540円・全ルート約5時間)のほうが目的に合います。

作品データ

ブランド
Dusk
当サイト評価
4.5期待値

この作品が好きなら読みたい記事

「監禁婚~選択の日々~」レビュー|3編5ルート、シチュエーションドラマ発のダーク乙女ゲームのパッケージ画像
買う前に遊べるあり

「監禁婚~選択の日々~」レビュー|3編5ルート、シチュエーションドラマ発のダーク乙女ゲーム

誘拐や脅迫から始まる関係を5本のルートで描く、Duskのダークアドベンチャー。シチュエーションドラマ『監禁婚』シリーズのゲーム化を、3編5ルートという構成・動作環境・体験版の有無から、どんな人に向くかまで整理しました。

Dusk5,500円
「華アワセ:蛟編」レビュー|花札で戦う和風学園、蛟以外の3ルートも入ったシリーズ第1作のパッケージ画像
買う前に遊べるなし

「華アワセ:蛟編」レビュー|花札で戦う和風学園、蛟以外の3ルートも入ったシリーズ第1作

WoGa の乙女ゲーム「華アワセ」シリーズ第1作。札遊び「華遷」の勝敗が物語を分岐させる和風学園ADVを、蛟以外に3人分のルートを抱えた構成と、尺もエンド数も体験版も無いまま買うことになる条件から、どんな人に向くかまで整理しました。

WoGa1,320円
「悪役令嬢とメンデレ王子」レビュー|約8時間、ハッピーエンド以外は全部バッドという転生乙女ゲームのパッケージ画像
買う前に遊べるあり

「悪役令嬢とメンデレ王子」レビュー|約8時間、ハッピーエンド以外は全部バッドという転生乙女ゲーム

乙女ゲームの世界に転生した悪役令嬢が、脇役のはずの王子に捕らわれる。禁断りんごのR18デジタルノベルを、約8時間という尺と「極上のハッピーエンド以外、バッドエンド」という選択構造から、どんな人に向くかまで整理しました。

禁断りんご2,200円
「関守神~再演~」レビュー|エンド20、既存2編に後日談と月臣編を足した和風ヤンデレADVのパッケージ画像
買う前に遊べるなし

「関守神~再演~」レビュー|エンド20、既存2編に後日談と月臣編を足した和風ヤンデレADV

異界の万屋で働くことになった少女と、人形の青年・夜市。スタジオ・スプートニクの和風ヤンデレADVを、END20・CG129枚という規模と、既存2編に後日談と月臣編を足した「再演」の構成から、どんな人に向くかまで整理しました。

スタジオ・スプートニク1,980円